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Last Updated on 2021年9月9日 by 中部労災一人親方部会
の3つです。
この3つについて詳しく見ていくと共に、対策についても書いていこうと思います。
モノのリスクとは 自分が持っているものに対するリスクです。
自分のものが盗難されたりもしくは現場に置いてある資材を盗難されたり、そういったものがなくなるリスクのことをいいます。
これは盗難であったりもしくは破壊されることもあります。
工具一式が盗難されたら怖いですよね。
対策としては比較的安価で保険に加入することができます。
一般的な保険会社にて自動車保険と同じように申し込むことができて 、火災保険や自動車保険等と一緒に特約として申し込むことも可能。
現場における被害の場合は工事賠責保険、自動車周りにおける被害の場合は自動車保険。
などその他にも様々な保険が用意されています。
もしこのリスクに対する保険に入りたいのであれば損害保険などを取り扱っている保険代理店などに相談すると良いでしょう。
そして2つ目のリスクが加害者としてのリスクです。
例えば自動車を運転中に人を怪我をさせてしまったりもしくは他の車に当ててしまって修理が必要になったり、 こういった自分のものではなく誰かのものや怪我などの金銭的な負担を加害者としてのリスクといいます。
電気工事業の場合は人が住む家や、工場や商業施設 などの室内で工事をすることもあるでしょう。
この場合に工事の途中で周りのものに肘が当たって壊してしまったりであるとか、 もしくは工事のミスによって故障させてしまうこともあるでしょう。
場合によってはレンタルをしている機械であったりとか、 管理すべき拾得物等に関してもリスクが伴います。
このような場合でも保険によって対応することが可能です。
基本的には工事保険や自動車保険等に加入することで金銭的なリスクに対応することができます。
自動車での事故においては自動車保険でしか対応することができません。
この他の加害者になるリスクについては様々な保険が用意されています。
工事保険として賠償責任保険と言うものに加入することで対応できます。
こちらも損害保険会社を扱っている代理店に相談するといいでしょう。
場合によっては個人の保険代理店であれば法人の保険に詳しくない場合もあります。
工事保険や建設会社等の保険が得意な代理店を見つけて相談するようにしましょう。
そして最後に怪我のリスクです。
自分はこれまで怪我をしたことがないし、これからも怪我をする想像がつかないと感じてらっしゃる一人親方もいらっしゃると思います。
しかしケガや事故というのは突然やってくるものであって今大丈夫であったとしても少し疲れていたりもしくは寝不足であったりとか、ついうっかり集中力が途切れている場合もあるでしょう。
つまり ケガや事故と言うのは、 突然襲ってくるものです。
大丈夫だと思っている方にもケガのリスクはつきまといます。
ここからは電気工事における重大な事故について事例を共有していきます。
この災害は、製鉄所の熱延工場において、ウインチ等の操作盤内の配線作業中に発生したものである。
災害発生当日の朝、製鉄所内の電気工事を請け負っているZ社の作業者A~Eの5名は、製鉄所から熱延工場の結束機の防熱板の昇降ウインチの交換作業の発注を受けたY社の現場責任者Fから、製鉄所がY社に交付した工事指示書によりウインチ交換作業の指示を受け、さらに、口頭で付帯する配線の追加作業の指示を受けた。
作業分担は、D~Fの3名がウインチの交換作業を行い、A~Cの3名が配線のための配管用の溝を床に作ることになり、それぞれが直ちに作業に取りかかった。
午前11時頃にウインチの交換が終了したので、D~Fの3名は、Aらが行うコンクリート床の「はつり」作業に加わった。
昼の休憩を挟んで作業が続けられ、午後2時頃には「はつり」作業が終了したので、6名で操作盤への配線の挿入を行うことになった。
作業は、EとFが操作盤を床に固定している脚の内側に配線用のパイプを挿入し、続いて下からパイプに新たな配線を挿入した。
このとき、Aは、B~Dの3名とともに操作盤のパネルを開けてパイプから配線が出てくるか否かを確認していたが、操作盤内を停電せずに行っていたため、操作盤内の端子で露出している充電部にAが接触し感電した。
Aは、その後病院に移送されたが死亡した。
Aらは、通常時と同じ作業服と軍手で作業を行っており、感電防止のための絶縁用ゴム手袋等の保護具は使用していなかった。
熱延工場の結束機の防熱板の昇降ウインチの操作盤の配線作業は、以前から計画されていたが、操作盤の電源を切ると他の生産設備が稼動できなくなるので、製鉄所では、当日は電源を切らずにウインチの交換のみ行う旨、工事指示書をY社に交付したが、指示書を受け取ったY社のBはウインチの交換に付帯する操作盤への配線作業も行うと勘違いした。
製鉄所からY社への指示は、工事指示書の交付のみであった。
Bは、配線作業については、作業内容をよく把握しないまま口頭で指示し、作業を行った。
この災害の原因としては、次のことが考えられる。
工事指示書の内容確認が不十分であったこと。
当日は、元々停電作業によりウインチの交換と付帯する操作盤の配線作業が予定されていたが、工事指示書の内容はウインチの交換のみであった。
発注者から元請のY社への指示は書面の交付のみであり、両者による工事指示書の内容確認は行われなかった。
そのため、Y社のFは、付帯する操作盤の配線作業も行うものと勘違いして、作業を始めた。
感電防止措置が講じられていなかったこと。
Bが作業内容をよく把握しておらず、通電状態の操作盤の内部での作業があるにもかかわらず、充電部分への絶縁用防護具の装着、絶縁用保護具の使用等、感電防止のための措置を事前に講じることなく、作業を行った。
この災害は、ビルの電気設備の改修工事において発生したものである。
この工事は、約5か月かけてビル内にある高圧受変電設備(キュービクルタイプ)、非常用発電設備等のリニューアルを行うもので、建物全体の工事を請け負った建設会社から電気設備会社Aが一括して受注し、一般電気工事の作業を別の会社Bに発注したが、実際の作業の一部は工事応援という形で被災者の属する会社Cの3名が行っていた。
災害発生当日、被災者らは、前日に引き続き午前7時から一般電灯系について停電による作業を行い、この作業は午前中に終了した。
午後からは午前の休憩のときにB社から当日の追加の作業として指示された「高圧発電引込盤の中に中央監視室用の信号ケーブルを引き込む」作業をB社の作業指揮者と被災者および同僚で行うことになった。
引き込み作業は、高圧発電引込盤(幅80cm,高さ230cm)の上方にあるラックから信号ケーブルを引込盤上の穴(直径10cm)に差し込み、それを下で引き込む方法で行われるものである。
最初は同僚がラック上で、指揮者は断路器への接触防止用に取り付けてあったアクリル板を取り外して引込盤上のところで引き込む作業を行い、被災者は指揮者の後ろで作業を見ていた。
ところが、ケーブル8本を引き込んだところで、指揮者はケーブルが2本足りないことに気づいた。指揮者は被災者らに2本のケーブルの追加引き込みと、全ての引き込みが終わったところで止め具を用いて整線するよう指示し、「活きているかも知れないから注意するように」と言った後、地下2階で行われている他の作業箇所の巡視を行ってから地下1階の工事事務所に戻った。
残った2人は、2本のケーブルをラック伝いに配線した後、同僚が引き続いてラック上で、被災者が責任者の行っていたケーブルを引き込む作業を行っていた。
同僚が2本目のケーブルを差し込んだ午後2時20分頃、突然ビル全体が停電となった。
このとき、被災者は、高圧発電引込盤の裏側にある一般電灯用の配電盤にもたれ掛るようにして倒れていた。
そのため直ちに救出して病院に移送したが、2時間後に電撃症のため死亡が確認された。
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
絶縁防護措置が行われていなかったこと。
被災者が電撃を受けて死亡した直接的な原因は、充電状態にあつた断路器のブレードに接触したものと推定されるが、信号ケーブルをキュービクルタイプの高圧発電引込盤に差し込む作業の際、断路器への接触防止用のアクリル板を取り外したのに、断路器のブレード部分を絶縁用防具等により防護しなかった。
作業計画が明確に定められていなかったこと災害は、当日の作業予定にはなかった信号ケーブルを高圧発電引込盤に引き込む作業で発生した。
一連の作業計画の中でこの作業を停電で実施するのか、活線近接の作業で行うのかの計画が定められていなかった。
また、翌日の作業計画については、前日の午後に電気工事一式を請け負った会社からビルのリニューアル工事全体を請け負った建設会社に日報の形で提出するようになっていたが、形式的で計画の変更の手順等についての定めもなかった。
作業者が充電部分を認識しないまま作業を行ったこと被災者は、信号ケーブルを高圧発電引込盤に引き込む作業を作業責任者の後を引き継いで行っていて被災した。
その作業について特段の説明、指示を受けることなく、直前に見ていた動作を真似て作業を実施したもので、充電部分があることを認識していなかった。
安全管理が行われていなかったこと。
電気設備に関する一連のリニューアル工事は、銀行に電気を供給していることから、全停電で行うことが難しく、必然的に活線近接作業が予測されていた。
しかし、感電防止に関する安全管理等について関係会社間で十分な連絡調整を実施していなかった。
この2つの事故から見られる電気工事の事故はいつ起こってもおかしくないと言うこと。
熟練の職人であっても 怪我をしてしまう恐れがあるし場合によってはなくなってしまうケースもあるでしょう。
ご存知の通り電気工事はいつ事故が起こってもおかしくはない状態です。
そして何よりも見えないものを扱っているため突然事故が起こってきます。
2つの事故の共通点は作業計画が曖昧だったこと。
これはどんな現場でも行われていることではないでしょうか。
常に怪我と隣り合わせだと言う意識を持って、毎日現場に立つ必要があると思います建設業界にいる限りいつか怪我はやってくると思って行動しておいた方がいいかもしれません。
ここからは一人親方がケガをしたらどうなるかについてお話ししていきます。
ケガをしたとしても軽症で仕事が続けられるならまだ問題ありません。
少しケガの影響で仕事がしずらくても何とか収入を確保することができます。
取引先にも迷惑をかけることもないでしょう。
この場合の心配事はケガの治療費のみです。
ケガの治療費だけであれば少し手痛い出費にはなりますがどうにかなるかもしれません。
しかしケガの具合が悪く仕事を継続できない場合はどうなんでしょうか。
まず1つ目の心配は収入の心配です。
一人親方は働くことによって収入を得ることができます。
これを裏返せば働かなければ収入を得ることはできないと言うことになりますね。
怪我をしてしまって1ヵ月間仕事ができなかったらどうなるでしょうか。
貯金がたくさんある方はいいかもしれません。
それでも貯金は減る一方です。
収入はありませんからね。
さらに貯金がもしないとすれば恐ろしいことが起きてきます。
働いていなくても家の家賃食費光熱費等は確実に出て行きます。
何かしらのローンを組んでいる場合もあるでしょう。
その支払いはどうなるでしょうか。
おそらく首が回らなくなり困り果ててしまうでしょう。
その場合の対策のために必要なのが労災保険の特別加入です。
一人親方は基本的には個人事業主なので労災保険に加入することができません。
しかし特例によって特別加入と言う形で労災保険に加入することができます。
この労災保険では、 ケガの病院での治療費は全額負担されますし、 その間の休業補償も休んだ日数分出ることになります。
もちろん満額が保障されるわけではありませんが一定の割合の負担が休業中毎日加算されていきますので、 休業補償があるのとないのとではかなり違うでしょう。
このほかにも労災保険では後遺障害が残った場合の補償であったりとか、 場合によっては亡くなった場合の補償などもされることになっています。
それでいて保険料はかなり安く抑えられてます。
なぜなら国が経営する保険だからです。
国の予算を使った保険なので補償内容は手厚く保険料は安く済んでいるわけですね。
建設業の一人親方にとって入らない選択肢はないでしょう。
したがって、今のリスクを防ぐためにも必ず労災保険の 特別加入はしておいてください。
参考記事:一人親方労災保険の仕組み
電気工事業の一人親方のリスクは大きく分けて3つ。
モノのリスクも加害者としてのリスクは、最寄りの損害保険を取り扱う保険代理店へ。
そして労災保険の特別加入については中部労災一人親方部会までご相談くださいませ。
関連記事(俺の夢 for MAGAZINE より):負荷電流とはどんなもの?測定する方法や注意点3つなど詳しく解説
名称
中部労災一人親方部会
理事長
浅井 淳平
認可
厚生労働大臣承認・岐阜労働局承認
(承認日:平成31年3月1日)
加入員資格
富山県・石川県・長野県・福井県・岐阜県・愛知県・滋賀県・三重県にお住まいの建設工事に従事する一人親方とその家族従事者
所在地
≪本部≫
〒500-8258 岐阜県岐阜市西川手8丁目24番地
≪岩槻事務センター≫
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